2013年8月19日月曜日

トレンドフォローの限界

Turtles Breakout Systemとは、投資集団「タートルズ」が使用していた順張り系の手法です。

時は1983年、リチャードデニスという400ドルを数十億ドルにまで増やした投資家と数学者であり投資家であるウィリアムエッグハートが賭けをしました。
金を持ってるオジサン達がした賭けの内容とは、「優秀なトレーダーは育成できるか」というものです。
リチャードデニスは育成できるといい、ウィリアムエッグハートは出来ないといいました。

ここからが凄いところ。
リチャードデニスはウォール・ストリート・ジャーナルでトレーダーを募集し、23人の投資集団を作り彼らに100万ドルを渡してトレードさせました。

さて、その結果は…
その後の全米商品投資顧問業者ランクの上位は常にタートルズで埋め尽くされるようになりました。
そんな彼らの手法というのがTurtles Breakout System(ドンチャンブレークアウトとも言う)です。

手法は簡単、20日ボックスを上抜いたら買い、10日ボックスを下抜いたら手仕舞う(売りから入る場合はその逆)というものでした。
さてさて、ではこの手法はFXでも通用するのでしょうか。

ドル円Every Tickで確認しました。
 ・20日間の最高値を更新したら買う。
 ・10日間の最安値を更新したら売る。
  (売りから入る場合はその逆)
 ・その他の戦略は一切無し
 ・2005年1月~2008年10月31日



一応勝ってますね。
PF1.45ですが実に3年間近く負けており、2007年12月7日にようやくプラスになっています。
サブプライム様様ですね。

では次に世界で一番取引が多いEURUSDです。


これまた一応勝っています。
2006年12月15日より安定して勝っています。
この頃からの上昇トレンドに乗って利益を上げ、サブプライム下げで利益を上乗せしている感じです。

つまり、この手法はトレンド相場にむちゃくちゃ強く、ボックス相場(レンジ相場)にむちゃくちゃ弱いわけです。

試しに、トレンドが大きいので有名なGBPJPYで確認しましょう。


2007年1月からぐんぐん利益を伸ばしてPF2.07を達成しています。
しかし、トレンドが無い2005年~2006年は全く利益が出ていません。

ついでに、、トレンドといえば!!ということで、OILでも確認です(FXと関係なくてすみません)。
2007年7月20日からしかデータが無かったので、このデータで検証です。


やっぱりすごいですね!!ガンガン稼いでPF5越え!!
勝率も70%を越えています。

じゃあボックス相場の通貨ではどうでしょうか。
ボラティリティが小さいことで有名な(地域が近いため)EURGBPで検証です。


最悪ですね。PF0.41です。
最近の稼ぎ時相場でも負け続けています。



さてさて、話は長くなりましたが、私がこの検証から言いたかったのは、「ドンチャンをトレンドが出やすい通貨で使用しよう!」ではなく、トレンドフォローには限界があるということです。

相場には3つの形態があり、常勝するためにはこの3つに対応しないといけません。

 ・上げ相場
 ・下げ相場
 ・ボックス相場

今後GBPJPYがずっと値動きの激しい通貨である保障はありません。
そのため、上げ相場、下げ相場、そしてボックス相場どの場面でも勝てるシステムを作らないといけないということです。

そのためにも「現在がボックス相場であるかどうか」をシステムに判別させることが非常に重要になります。
残念ながらボックス相場であるかどうかを判別するインジケータはなかなか世の中にありません。
(ADXの下り坂をボックス相場と取る、という考え方もあるようですが…)

そのため、今後ボックス相場の判別方法をご紹介していけたらと思っています。

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