2013年8月28日水曜日

ロスカットの真実




FXで勝率100%で勝てる方法があります。
知りたいですか?
そんな凄い方法がなんとあるんです。

それは…

レバレッジ1倍で買値より高くなるまで絶対に売らない事です。

そこの「バカヤロウ!」って言ってブログを閉じようとしてるあなた!!
今日はとっておきの事を書くんでそれだけは御勘弁を。。



さて、上がるまで意地でもポジればいいのに為替の世界の人は損切ります。
なぜでしょう?
色んな本やブログに大事だからと書いてあるからでしょうか?
何となくでしょうか?

明確にその事に触れている人があまりにも少ないので今日はこんなタイトルのブログを書いてみました。




------------------------

ロスカットしなければいけない理由は2つあります。
一つは「①投資効率を高めるため」、もう一つは「②稀に来る暴落時に大切な投資資金を守るため」です。

「①投資効率を高める」
以外に明確にこれを説明している人は少ないです。

思惑に反し逆行したとき、チャラになるまでずっとポジションを持ち続けるより、手放して別エントリーした方が儲かるなら積極的に切った方が儲かります。
このロスカットの最適値は自分の投資手法の期待値を知らなければ分かりません。
自分の手法の優位性を知るにはある程度のバックテストの知識か豊富な経験が必要になります。


「②稀に来る暴落時に大切な投資資金を守るため」
これについてはよく説明をしている人がいます。
でも、私のブログではもうちょっと違う角度でこのことに触れてみたいと思います。

問題です!!
1000日に一度の確率で暴落する相場があったとします。
あなたはその暴落相場に耐えられるだけの資金を持っていなかったとします。
あなたが破産する確率が一番高いのは何回目のトレードでしょう??



答えは…
なんと1回目です。
下のグラフをご覧下さい。



初体験で資産が吹き飛んでも全然おかしくないですね。

では次に、この人はどのくらいトレードすると確実に破産するのでしょうか。



4603回目には99%破産します。
特に注目すべきは257回トレードすれば4人に1人破産するということです。
1000分の1って当たらないようで当たりやすいんですね。

「相場のボラティリティがどうの」とか、「このインジケータがシグナルを出したときのPFがどうの」とか関係ありません。
貴方が破産したくないのであれば、相場に応じた損切り額を設定するのではなく、投資資金に応じた損切りをしなければいけません

ここ、超重要です。
なぜかというと、手持ち資金から導き出されるロスカットの幅(上で言う②のロスカット)と貴方の投資手法から導き出されるロスカット幅(上で言う①のロスカット)で「手を出してよい通貨」と「手を出してはいけない通貨」が決まるからです。

以下例を挙げて説明します。
条件:
  ・100pipsほどドローダウンしたら深刻な損害になる位しか手持ち資金が無い
  ・勝率は70%以上と非常に高いが極稀に5連敗するような手法を使って投資を実施
  ・手法の期待値を得るためには、ボリバン2σ程度に損切りラインを入れなければいけない手法である

この場合、破産したくないのであれば、ロスカットは100/5=20pips以内にしなければいけません。
一方、ポン円5分足やポンドル5分足などでは足の平均は20pipsをゆうに超えます。
つまり、ポン円、ポンドルはこの条件の場合手を出してはいけないということになります。
ドル円でもNY Timeではボリバン2σが20pips以内にならないのではないでしょうか。

ということは、この条件では、ドル円のJP Timeくらいしか投資してはいけないということになります。

つまり、①のロスカットが②のロスカットを超えているような手法と通貨の組み合わせを使った投資は、言ってみれば「おこちゃまはお金貯めてからまた来ようね!」と相場に言われているようなものです。
商品先物や原油で破産する人が多いのはこのルールを守っていないからです。

------------------------
最後に-その1

本日スイングトレード派の方に、「理屈は分かっていても、週明けの大きな窓に当たったらどうすればいいか」という質問を頂きました。

この場合のリスク管理法を2つほど。
中東相場というのはご存知でしょうか。土日でも開いているマーケットです。
下記URLを日曜の夜に見てみてください。普通に相場が動いています。
http://fx.flockfox.com/
事前に中東相場が大きく動いていた場合は翌日朝から大荒れなヨカンです。
次の日の目覚ましは早めにセットしましょう。
※中東相場の小幅な値動きは無視してください。流動性が低い相場だから参考になりません。

また、世界で相場が開いている以上取引も可能です。
oanda等では日曜も取引ができます。
そのため、oandaを使えば週明けリスクはほぼ皆無です。
oandaをあまり使いたくない方は、一応oandaの口座だけ持っておき、ピンチの時だけ休日に証券会社間両建てにしてしまえば良いです。
窓が解消したときに両建てを解除して下さい。


最後に-その2

私のブログのお気に入り書籍欄に載せている「タートルズ流投資の魔術」にはATR14を使用したリスク管理手法が詳細に載っています。
私のこの理論はカーティスの理論を応用したものです。
ホントにカーティス先生様様です。

2013年8月19日月曜日

トレンドフォローの限界

Turtles Breakout Systemとは、投資集団「タートルズ」が使用していた順張り系の手法です。

時は1983年、リチャードデニスという400ドルを数十億ドルにまで増やした投資家と数学者であり投資家であるウィリアムエッグハートが賭けをしました。
金を持ってるオジサン達がした賭けの内容とは、「優秀なトレーダーは育成できるか」というものです。
リチャードデニスは育成できるといい、ウィリアムエッグハートは出来ないといいました。

ここからが凄いところ。
リチャードデニスはウォール・ストリート・ジャーナルでトレーダーを募集し、23人の投資集団を作り彼らに100万ドルを渡してトレードさせました。

さて、その結果は…
その後の全米商品投資顧問業者ランクの上位は常にタートルズで埋め尽くされるようになりました。
そんな彼らの手法というのがTurtles Breakout System(ドンチャンブレークアウトとも言う)です。

手法は簡単、20日ボックスを上抜いたら買い、10日ボックスを下抜いたら手仕舞う(売りから入る場合はその逆)というものでした。
さてさて、ではこの手法はFXでも通用するのでしょうか。

ドル円Every Tickで確認しました。
 ・20日間の最高値を更新したら買う。
 ・10日間の最安値を更新したら売る。
  (売りから入る場合はその逆)
 ・その他の戦略は一切無し
 ・2005年1月~2008年10月31日



一応勝ってますね。
PF1.45ですが実に3年間近く負けており、2007年12月7日にようやくプラスになっています。
サブプライム様様ですね。

では次に世界で一番取引が多いEURUSDです。


これまた一応勝っています。
2006年12月15日より安定して勝っています。
この頃からの上昇トレンドに乗って利益を上げ、サブプライム下げで利益を上乗せしている感じです。

つまり、この手法はトレンド相場にむちゃくちゃ強く、ボックス相場(レンジ相場)にむちゃくちゃ弱いわけです。

試しに、トレンドが大きいので有名なGBPJPYで確認しましょう。


2007年1月からぐんぐん利益を伸ばしてPF2.07を達成しています。
しかし、トレンドが無い2005年~2006年は全く利益が出ていません。

ついでに、、トレンドといえば!!ということで、OILでも確認です(FXと関係なくてすみません)。
2007年7月20日からしかデータが無かったので、このデータで検証です。


やっぱりすごいですね!!ガンガン稼いでPF5越え!!
勝率も70%を越えています。

じゃあボックス相場の通貨ではどうでしょうか。
ボラティリティが小さいことで有名な(地域が近いため)EURGBPで検証です。


最悪ですね。PF0.41です。
最近の稼ぎ時相場でも負け続けています。



さてさて、話は長くなりましたが、私がこの検証から言いたかったのは、「ドンチャンをトレンドが出やすい通貨で使用しよう!」ではなく、トレンドフォローには限界があるということです。

相場には3つの形態があり、常勝するためにはこの3つに対応しないといけません。

 ・上げ相場
 ・下げ相場
 ・ボックス相場

今後GBPJPYがずっと値動きの激しい通貨である保障はありません。
そのため、上げ相場、下げ相場、そしてボックス相場どの場面でも勝てるシステムを作らないといけないということです。

そのためにも「現在がボックス相場であるかどうか」をシステムに判別させることが非常に重要になります。
残念ながらボックス相場であるかどうかを判別するインジケータはなかなか世の中にありません。
(ADXの下り坂をボックス相場と取る、という考え方もあるようですが…)

そのため、今後ボックス相場の判別方法をご紹介していけたらと思っています。